
太田潤 手吹き硝子工房
福岡県の小石原で、再生ガラスによる吹きガラスを造り続ける太田潤さんのガラス工房です。
太田哲三さんの次男として産まれた潤さんは、幼い頃から小石原を代表する陶工である祖父の太田熊雄さんや、高い技術でその伝統を受け継ぐ、父である哲三さんの、熟練された職人さんの背中や彼らが生み出す美しい器を見て育ちました。
長男の圭さんは、窯に入りましたが、潤さんは、ロクロの前でじっとするのは性に合わないと、また以前から、倉敷ガラスの小谷眞三さんに憧れていた事もあり、吹きガラスの道へ進んだそうです。
そんな潤さんだからこそ、黙々と造りだすその吹きガラスには、器のようなあたたかみがあり、おおらかで、馴染みやすく、まるで自然が造りだす氷のような、やわらかさがあります。
父である哲三さんや、小谷眞三さんと同じ職人気質であり、そのガラスと向き合う技術と姿勢は、威張らず、日々の食卓に、すっと手が届く器として、愛されて行くと思います。
太田潤 手吹き硝子工房のガラスの器はこちら

再生ガラスについて
日本の再生ガラスは、戦後、原料が無い沖縄で、アメリカ兵のガラスの注文に答えるため、彼らのコーラやビールの廃瓶を材料として吹かれたところから始まったそうです。
太田潤さんもまた、ガラスを吹き始めた頃、材料を買うお金がなく、仕方なく廃瓶を使いはじめたそうです。
それでも、廃瓶はキレイに洗浄して不純物を取り除かなくてはならず、結構手間がかかるそうですが、いわば捨てられるゴミが、こんなにも素敵な器に生まれ変わり、人の心を動かすなんて、とても素晴らしいですね。


